なぜシステムテストが必要なのか?

みなさん、こんにちは。
誰しもソフトウェアの品質は良い方がいいと思っていますし、品質が大事だということは重々承知しています。品質を上げるためにはきちんとシステムテストを行うことが欠かせないということもわかっています。しかし、改善しようとしてもなかなかアクションを起こすことが難しいのが現実です。 今回は、そんな現状を打開するための策についてお話ししたいと思います。

スピード重視が引き起こす弊害

ビジネスのトレンドは絶えず変化を続けており、少しでも立ち止まろうものならすぐに置いてきぼりを食ってしまいます。最新技術を取り入れなければお客様は離れてしまいますし、ビジネスチャンスを逃さず的確にとらえるためには「より新しく」「より魅力的」なソフトウェア製品を「より早く」提供することが絶対条件となります。いきおい、システムテストを省略してリリースを急ぐケースが少なくありません。

システムテストは削減できるコストか?

また、昨今では価格競争の激化が止まらない状況でもあり、「より安く」という要求も日増しに強くなっています。そのような環境下で競争力を高め利益を上げるためには、コスト低減が最大の課題であることは言うまでもなく、「削れるコストは最大限削る」ことが至上命令となっています。そのため、システムテストのコストを惜しんで十分な確認を行えないままリリースを強行することがよくあります。

モノができればそれでいいという考え方

昔から「作るだけで精いっぱい」的な風潮はありましたが、上述のような社会情勢によって、「とにかく間に合わせろ」「作ることが最優先」「モノができればそれでいい」という考え方が支配的で、なかなか品質の面まで手が回らないし改善しようにも壁にぶつかってしまうことが多いのではないでしょうか。単体のテストなら普通作った人がやってくれることが多いですが、システムテストとなるとその必要性をあまり認識されていない例も見受けられます。

なぜ品質が後回しになり、それが改善できないのか?それには2つの理由が考えられます。そして、経営レベルとの間に大きな価値観の相違があるのです。

品質が改善されない理由① 品質問題の怖さを知らない

ひとつには、経営サイドが品質事故を起こした場合のリスクについて正しく認知していないことが挙げられます。目先の利益を追求するあまり「見つかったら直せばいいだろう」式の考え方が、いかに大きなコスト増を招き利益を圧迫するか、また、顧客離れを引き起こして後々大きな機会損失になるか、という点に思いが至っていないことがあるのです。

品質が改善されない理由② 検証/テストに対する理解不足

もうひとつは上記と関連しますが、検証/テストに対して「正直めんどくさい」「余計なコスト」というイメージがあることです。開発設備費や設計・プログラミングの人件費など「生産的な」コストや仕事は仕方ないけれど、作られたものをレビューしたり検証/テストしたりすることは「非生産的な」コストや仕事であって、極力削減したいというのが人情なのでしょう。特にシステムテストについては「個々の機能がちゃんとできていれば大丈夫なはず」という意識が根強く、その必要性が正しく認識されていないことがあります。

品質を改善する肝。それは経営層の理解を得ること

「作ったものはきちんとテストして正しく動作することを保証する」こんな当たり前のことをしていくことすら現実的には難しいことが多いです。経営層が意識を持って組織的に動かない限り、一部の志ある人達がいくら頑張っても「ごまめの歯ぎしり」です。 まずは経営層の方々に「品質問題の怖さ」と「検証/テストの意義」を理解していただかなければなりません。しかし、あるべき論や精神論になってしまっては却って逆効果になってしまいます。これには裏付けとなる考え方が必要となります。

そこで、私たちは品質の重要性と検証/テストをすることの意義を経営層の方々に説明するための簡単な資料を作成しました。 ご興味がおありの方は<こちら>からダウンロードしてください。少しでもお役に立つことができれば幸いです。

ご愛読、ありがとうございました。

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