第三者検証のプロがWebサイトテストでやっていること

みなさん、こんにちは。
前回の記事(なぜシステムテストが必要なのか?)で、システムテストの重要性と意義についてはご理解いただけるようになったのではないかと思います。そして、システムテストの重要性は業務系システムばかりでなく、Webサイトにおいても変わりはありません。 さて、重要性と意義を経営層の方々に理解してもらえたまではよかったのですが、どうやったら質の高い手戻りの少ない検証/テストができるのか自信を持って答えられるでしょうか? 今回は、そのために私たちがやっていることの一部をコッソリお教えしたいと思います。

質の高い手戻りの少ない検証/テスト。まさに「言うは易し行うは難し」です。 やろうと思ってもできない、やってはいるけどうまくいかない、というのが現実です。
■前回の記事はこちら

やろうと思ってもできない現実の壁3つ

まず一点目は「要員がいない」ことです。ただでさえマンパワーに余裕がない状態で制作を進めているわけですから、作るので精いっぱい。とても検証/テストに回せる要員などいません。 それに、サイト制作の実作業と違って検証/テストはクリエイティブでない地味な裏方の作業というイメージが強くて要員をそれにアサインすることに抵抗がありますし、一方アサインされた側も不本意な思いをするというのが正直なところではないでしょうか。

二点目は「時間がない」ことです。Webサイト制作というものはどうしても諸般の事情によりスケジュールが押してしまうものです。制作に追われているうちにいつの間にかローンチが目前に迫っていて、もう検証/テストなんかやっている時間はない、というのは日常茶飯事です。

三点目は「機材がない」ことです。Webサイトは言うまでもなく多数の人が様々な環境からアクセスしてくるものです。当然、対象とする環境(デバイス/OS/ブラウザ/メーカー/機種)で意図したとおりの表示や動作ができるかどうかを検証する必要があるわけですが、必要となるPCやスマートフォン・タブレットを検証するために用意することは非常に困難ですし、また現実的でもありません。なぜなら、購入コストがかかるだけではなく、製品のサイクルが非常に短くなっているため買って持っていてもすぐに陳腐化して無駄になるからです。

やってはいるがうまくいかないのはなぜ?

テストしたはずなのに、確認したはずなのに、ローンチ後に誤植や動作不良などの問題が発覚することは誰しも経験することです。なぜそんなことになるのでしょう?原因を聞いてみると決まって次のような答えが返ってきます。 「テスト不足でした」「考慮不足でした」「誤解していました」「見落としていました」… ここで問題なのは「具体的に何が不足していたのか」「本来どうあるべきだったのか」という観点が欠けていることです。各個人がそれぞれの知識と経験に依存している限り、やり方がバラバラになってどうしても抜け漏れ誤りが発生しやすくなります。 そのようなことが繰り返されると、クライアント様から「ちゃんと検証しているのか?」と品質上のクレームを受けることになり、顧客満足度も信頼度も低下してしまいます。最悪の場合、お仕事をいただけなくなってしまうかもしれません。

そういった状況に陥る原因は、次の2つの問題が根底にあるためです。

「作成者がやるのが当たり前」という考え

一般に検証/テストは「作った人が一番わかっているんだから作った人がやるべきだ」とか「作った人にしかわからないから他の人ではできない」と捉えられていることが多いのではないかと思います。確かにそれはごもっともなことです。 しかしほんとうにそうでしょうか? 人間が自分の欠点に気付かないのと同じように、自分の作ったものの欠陥に自分で気付くことは難しいのではないでしょうか? 作り手目線に偏った検証/テストに終始し、利用者の目線がなおざりにされてしまうことはないでしょうか?

そもそも、どうやればよいのかわからない

もしローンチを控えたWebサイトについて検証/テストをしておくよう言われたら、すぐに取りかかれますか?まず何から始めますか? たいていの場合、まずとりあえず画面をぱっと見て表示崩れがないか、誤字脱字や内容誤りがないか、ひととおり操作をしてみて問題なく動作するか、といった基本的な(表面的な)確認はするものだと思います。 しかしそれだけでいいのでしょうか? 昨今のWebサイトには単純な問合せフォームに始まり、会員登録・カート・見積・決済・課金…といった「システム」が組み込まれていることが非常に多くなっています。そして、そのような「システム」を含めた動作まで踏み込んで正しさを確認することが必要とされています。 では、「システム」の検証/テストとはいったい何をどうすればいいのか?と途方に暮れてしまうのも当然です。

では、それらの問題をどのように解決すればよいか?2つの諺をキーワードとして説明します。

解決のキーワード① 「傍目八目」

ずばり、当事者でない人(第三者)が検証/テストをすることです。これを『第三者検証』といいます。 検証/テストは作った人にしかできないかというと、決してそんなことはありません。自分の作ったものは正しいという思い込みがあるので、えてして周りの人の方が間違いを見つけやすかったりするものです。また、中立な立場の第三者が検証することで、ユーザーの目線に近い客観的な評価ができるという大きなメリットがあります。

解決のキーワード② 「餅は餅屋」

もうひとつは、物理的に依頼するかどうかは別として『専門家のやり方を取り入れる』ということです。第三者検証をするといっても、ただ単に第三者が適当に動かしてみればよいというものではありません。第三者検証としての正当なやり方をしなければ全く意味がないのです。 それには検証/テストの目的や範囲をしっかり定めたうえで計画を立て、検証プロセスに則って進めていく必要があります。

そこで、私たちはWebサイト品質の向上を目的とした第三者検証の導入についてご説明するための簡単な資料を作成しました。 ご興味がおありの方は<こちら>からダウンロードしてください。少しでもお役に立つことができれば幸いです。

ご愛読、ありがとうございました。

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