品質の高いECサイトのためにテストで注意するポイント

みなさん、こんにちは。
前回の記事(第三者検証のプロがWebサイトテストでやっていること)でも述べましたように、昨今のWebサイトにはお客様とコンタクトし、サービスを提供するための様々な「システム」が組み込まれていることが非常に多くなっています。そして、そのような「システム」を含めた動作まで踏み込んで、全体が正しく機能することを保証することが必要とされています。

多種多様なWebサイトの中でもその最たるものがECサイト(電子商取引)であると言えます。今やコンシューマーと直接対話ができるチャネルとしてビジネスの最先端にあり、経済活動の一翼を担っているといっても過言ではありません。その証拠にECサイトの市場は拡大の一途をたどっており、2014年度の統計によると広義のBtoB-ECが280兆円超(EC化率26.5%)、狭義のBtoB-ECが195兆6000億円(EC化率18.3%)、そしてBtoC-ECが12兆8000億円(EC化率4.37%)となっています。【平成26年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書(平成27年5月 経済産業省)】

お金や個人情報といった機微な情報を取り扱い、企業にとって生命線ともいうべき位置づけになっているECサイトを安定して運用し安心して利用していただくためには、テストの質を如何に高めるかが成否のカギを握ります。 今回は、そのために私たちがECサイトテストをするうえで注意しているポイントをお話ししてみたいと思います。

突貫工事の末に

ローンチに漕ぎつけたはいいけれど…「金額が正しく表示されない」「カートに入れたが正しく反映されない」「決済ができない」「注文を受け付けたのに出荷されない」「機能追加をしたら表示崩れが発生した」…こんなことが起こったらどうなるかは誰でも想像がつきますよね。

ECサイトがコケたら命取り

もし情報の誤りや動作不良があれば、離脱が増加するとともにSNSなどを通じて悪評が拡散していきます。そうすると訪問者が減少し、商品が売れなくなって業績の悪化につながります。仮に、リリース前に気付いたとしても、その修正のためにローンチが遅延するようなことになれば、ビジネスチャンスを逃して機会損失を招くことになるのです。

なめてかかって大ヤケド

「所詮はWebサイトじゃないか…」となめてかかってはいなかったでしょうか?従来のWebサイト制作の延長線上で考えてはいなかったでしょうか? ―Webサイトだから、ガチガチの基幹系システムと違って開発もテストも厳密さは要求されないし、ASPサービスを利用したりパッケージソフトを導入してちょっとカスタマイズするだけだから、テストはそんなに必要ない―そんな風に思っていると、ローンチ後に大トラブルに見舞われることになります。言うまでもなく基幹系システムや市販アプリと同等の品質意識が必要とされてきているのです。

こんなテストになっていませんか?

テストはやったけれど結果が残っていないとか、不具合報告がわかりにくくて修正するのに手間取るとか、人によってやり方や結果の判定(解釈)が違うとか…いろいろと問題が出てきてしまいます。それは、個人の裁量に任せて何の基準もなく方法も指定せず、「問題があれば報告してね」というレベルにとどまってしまっているからなのです。

「テストする人の質」が「テストの質」を左右する

有効なテストをするためには、「どんなテストをするか」ということが重要なのは言うまでもありません。しかし、それとともに無視できないのが「どんな人がテストをするか」という点です。いくら周到に準備していても、実際にテストをする人の理解不足や思い込みによるミスがあれば正しい結果が得られません。テスト実行者として基本の判断や動きができなくてはなりません。

ECサイトのテストをするうえで知っておくべきこと

もうひとつ、テストをする対象についての基本的知識も必要です。まさに孫子の兵法にもありますとおり「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。ECサイトは他のWebサイトと比べてどういう点が違うのか?だいたいどんな機能があるのか?ECサイトの基盤となっているWebシステムはどういう仕組みでできているのか?テストするときに少しでも知っていれば大きな助けになるのです。

そこで、私たちはECサイトのテストをする際に必要な知識やトレーニングについてご説明するための簡単な資料を作成しました。

ご興味がおありの方は<こちら>からダウンロードしてください。少しでもお役に立つことができれば幸いです。

ご愛読、ありがとうございました。

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